@article{oai:nsu.repo.nii.ac.jp:02000001, author = {内橋 賢悟}, issue = {63}, journal = {新潟産業大学経済学部紀要}, month = {Jun}, note = {論文(Article), 第2次大戦後間もない1950年代、アメリカは日本に対して自国型経済システムの「制度移植」 を試みた。ところが以下、本稿において明らかにするように,アメリカ型市場システムの「制 度移植」の試みは、やがて挫折を余儀なくされた。その過程において、日本では金融機関を頂 点に据える企業グループ主導型の自立的復興政策が戦前から戦後にかけて連続して展開させる 「意図せざる結果」が生じた。  一方、同じ1950年代においてアメリカは韓国に対しても自国型経済システムの「制度移植」 を試みたものの、韓国もまた日本と同様に挫折を余儀なくされた。ただし、その過程は日本と は異なり、「移植」挫折の過程において対米輸出依存型の特恵財閥を生成させ、韓国型経済シ ステムの対米従属性を促す「意図せざる結果」を生み出すものとなった。すなわち、1950年 代対日・対韓「制度移植」の挫折がもたらした経緯をそれぞれ比較検討することにより、60 年代以降の両国における「(金融機関主導の)企業グループ」と「対米輸出依存型の韓国財閥」 の出現、それらを基盤とした日本の「自立的経済発展」、韓国における財閥主導の「従属型経 済発展への転換」の「可能性と諸条件」という今日的課題を、本稿が明らかにする不完備契約 市場成立の条件を通じて明らかにすることが可能になる。  アメリカによる自国型経済システムの「制度移植」は、自身の同盟国に対して自国型平等主 義を「移植」する試みへと転化する傾向がある。たとえば東西の冷戦構造が激しさを増す時代、 このアメリカの特殊性は如何なく発揮された経緯が判明する。アメリカは対立する思想が自国 型平等主義を妨害する不可解な存在として認め、自らの自発的解決方として不可解な思想が生 み出す不安を鎮めるという目的で自身のアングロサクソン型の市場主義を掲げるようになった。 東西冷戦構造の崩壊後、とりわけ1990年代以降の時代において、いわゆる「グローバリゼーショ ン」の進行とともにアメリカ自らが掲げるアングロサクソン型の市場主義、今日では市場ベー ス型資本主義を世界規模で展開させ、世界市場主義の時代とも称されるようになったのも、そ のためである。その際、アメリカは市場参入者間の効率的コーディネーション達成に向けて市 場機能の改善化を目指そうとする傾向が認められる。  今日、世界市場はアメリカ自らが掲げる平等主義概念の達成に向けて用意された場として機 能するのではなく、むしろ市場競争を通じて一層の専制主義的政策の登場が世界規模で求めら れるようになっている。ゆえにアメリカによる市場ベース型資本主義の「制度移植」が封建的 な市場主義をもたらし、連動して新古典派型完全競争モデルが強まりつつある。経済的規制の 撤廃もしくは緩和を合理的目的とする最小限の規制が、グローバル・スタンダードに沿うイデ オロギーとして君臨し、市場競争主義にもかかわらず独占企業体が市場を独占するという契約 の不完備性が、以上の展開を通じて生み出されるに至っているわけである。, application/pdf}, pages = {1--29}, title = {アメリカによる市場ベース型資本主義の対日「制度移植」に基づく不完備契約成立ー「移植」に伴う封建的市場システムの連続的展開に関する比較制度分析ー}, year = {2023} }